2016.04.26
平成28年度税制改正「法人課税」
法人課税においては、成長志向の法人税そのものの改革と地方創生等に係る分野の改正がある。
成長志向の法人税改革
「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」という考え方の下、平成27年度に着手した改革を更に推進し、法人課税をより広く負担を分かち合う構造へ改革
参考 改革初年度(平成27年度改正)における対応
(1)税率の引下げ 国・地方の法人実効税率 34.62% → 32.11%
(2)課税ベースの拡大等 ①欠損金繰越控除の見直し
②受取配当等益金不算入の見直し
③法人事業税(地方税)の外形標準課税の拡大
④租税特別措置の見直し(研究開発税制の見直等)
(1)税率の引下げ
法人税率を、平成28年度には23.4%に、平成30年度には23.2%に引下げ
※それぞれ、4月1日以後から開始する事業年度から適用
参考 国・地方の法人実効税率
目標としていた「法人実効税率20%台」を改革2年目に実現
従前 改革初年度 改革2年目以降 (%)
平成27年度 平成28年度 平成30年度
法人税率 25.5 23.9 23.4 23.2
法人事業税所得割 7.2 6.0 3.6 3.6
国・地方の法人実効税率 34.62 32.11 29.97 29.4
(2)課税ベースの拡大等
※以下の改正は、それぞれ4月1日に開始する事業年度から適用
①租税特別措置の見直し
・生産性向上設備投資促進税制について、期限通り平成28年度に縮減、29年度に廃止
・その他、環境関連投資促成税制や雇用促進税制など見直し
②減価償却の見直し
建物と一体に整備される「建築附属設備」や、建物と同様に長期安定的に使用される「構築物」の償却方法を、定額法に一本化
③欠損金繰越控除の更なる見直し
改革を加速しつつ、企業経営への影響を標準化するための見直し
従前 平成27年度改正 平成28年度改正後
平成27・28年度 (平成27年度 65%)
控除限度 所得の80% 所得の65% 平成28年度 60% 平成29年度以後 平成29年度 55%
所得の50% 平成30年度 50%
繰越期間 9年 平成29年度以後10年 平成30年度以後10年 参考 法人事業税(地方税)の外形標準課税の更なる拡大
・改革を加速し、大法人について、外形標準課税を更に拡大
従前 所得割(7.2%) 外形標準課税 2/8
27年度 27年度 所得割(6.0%) 外形標準課税 3/8
改正 28年度 所得割(4.8%) 外径標準課税 4/8
28年度 28年度 所得割(3.6%) 外形標準課税 5/8
改正後 付加価値割1.2%、資本割0.5%
・一定規模以下の法人に負担増が生ずる場合には、その一部を軽減(28~30年度) その他の措置 (1)地方創生税制(企業版ふるさと納税)の創設
地方公共団体が行う地方創生事業を国が認定する枠組み(地域再生法の改正)の下で、認定事業に対する寄附金額の一部を税額控除
従前の損金算入措置(約3割の負担軽減)に加えて、
①法人事業税:寄付金額X10%の税額控除(税額の20%(平成29年度以降は15%)を上限)
②法人住民税:寄付金額X20%の税額控除(税額の20%を上限)
③法人税:②で控除しきれなかった金額と寄附金額X10%とのうちいずれか少ない金額の税額控除(税額の5%を上限)
(2)復興を支援するための措置
復興特区の税制(機械等の特別償却等、被災雇用者等を雇用した場合の税額控除等)について、一定の見直しを行いつつ、適用期限を5年延長。その際、被災地の実情を踏まえて要件の一部を緩和
参考 消費税率10%段階の地方法人課税の偏在是正
・暫定措置である地方法人特別税・譲与税を廃止し、法人事業税に復元
・地域間の税源の偏在を是正し、財政力格差の縮小を図るため、法人住民税法人税割の税率引き下げと地方法人税(全額が地方交付税の原資)の税率引き上げ
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